sp2混成軌道の共有結合を持つ炭素材料のベーサル面(網面)は化学的に安定ですが、軽元素(ホウ素、窒素、酸素、フッ素、硫黄、リン)や空孔欠陥がベーサル面にドープすると、炭素材料の物性が大きく変化します。本研究室では、ハロゲン化-脱ハロゲン化による炭素材料や炭化物材料の表面を改質しています。例えば、フッ素化炭素材料を熱処理によって脱フッ素化する際に、軽元素供給源が存在する場合は炭素材料に軽元素のドーピング、軽元素供給源が存在しない場合は欠陥の導入が可能となります。またハロゲン化-脱ハロゲン化によって炭素-炭素結合を作ることができ、炭素材料同士の接合も可能です。本研究では、このハロゲン化-脱ハロゲン化を制御することで、材料の表面と物性をコントロールすることを目指しています。